門構え。

2016年夏から秋口にかけて、あいちトリエンナーレの会場としてお借りいただきました。
その時の門のあたりの風景です。
そして、こちらが、その前の年の夏に門の周りを整備する前の状態です。

もう全く違う雰囲気でした。
古いブロック塀が道路すぐきわまで伸びており、これまたものすごく年季の入った車庫がありまして、2015年の夏だったと思います、こちらを壊したのでした。

車の通り道としては、そんなに今も変わってはいませんが、建屋があると閉塞感があります。私はこの倉庫の趣、なかなかおもしろくて好きだったのですが、文化財にしていただいた家の門の前ですので、もうちょっとすっきりと、門構えの印象を整えるべきじゃないかということになりました。

そして、道路もきわまで伸びていたブロック塀が奥へ向かって路地沿いに続いています。
六供町は昔懐かしい路地がまだ残り、子供達が道で遊んでも危なくない、今では珍しくなった景観かと思います。
この地域も、石原邸も少しづつ変わっていきます。変わることは怖くもあるものですし、想い出はとても強い力のあるものですし、古いものは一度壊したらもう戻らない貴重なもの。しかし、残していくべきもの、雰囲気・・取捨選択を考える上で、見た目や想い出だけに傾きすぎてはいけないと。
後世の人びとにできるだけ、良いかたちで残してあげたいなあと思っています。
Posted by 大辻織絵
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