2018年12月27日 21:28  

土間の修復3

昨日、土間の施工が終わった。

土間の修復3


近代的なやり方だが、ビニールの覆いを掛けている。
母屋の中の土間は本三和土にしたので、じっくりゆっくりと乾かしていかなくてはいけないのだそうだ。

とはいえ、ただ覆いをして寝かせておけばいいというものではなく、時折水をかけてやらねばならないのだそうだ。
いくら養生をしておいても、湿度の低いこの季節は、乾きやすい。

養生をめくってみると、なんとも言えない素朴な匂いがする。
焼き物の土のような、山から採ってきた粘土のような、。

土間の修復3

三和土の肌がまるで焼き物のようだ。
どこかの骨董市で父が買ってきて大事にしていた、土器の肌がこんな感じだった・・



できれば、叩いている時に来たかったが、ちょうどその期間が都合がつかず。
近所のおばさんが、ウチまでパンパン叩く音が聞こえて来たよ、と。三和土{タタキ}とはまさに「叩き」だなと思わされる。叩いて叩いて、土を絞めていく。


土間の施工は、理想的には冬以外の季節にするのが良いと聞いた。夏の方が湿度の状態が三和土にはよく、乾き方が自然にやんわり進むだろう。石原邸もそのようにはしたかったのだが、本三和土にするか三和土風にするかで私の決心に時間が掛かってしまったことと、この秋の台風続きで職人さんがお忙しかったこともあり、11月の企画の後すぐ施工に入りましょう、ということになったのだ。


土間の修復3

竃も完全に新品!
昭和50年代半ばにこの家を復元した時から数えれば、40年振りの姿か。

土間も、こうした竃も、建材も、一度壊してしまったら、もう戻すことはできない。江戸時代とほぼ変わらない生活様式から完全に変わって、草履から地面の硬さに負けない硬いソールの靴を履くようになり、雑巾掛けをしなくなって、建材のツヤもあの頃のようなツヤは望むべくもなく、竃を使って炊事をしなくなって、煤が材に付かなくなった今、意識的にあの頃のような手の掛け方をしていくことはなかなかのことだ。もっといえば、経済のあり方が劇的に変化して、お金の概念も変わり、時間の概念も別世界になり、生き方が格段に変化した。
日本のどこかに、江戸時代のような生活をなさっているすごい方もいらっしゃるかもしれないが。

土間は直したいと思ったが、いい感じで煤けた姿はもう戻せないと思うと竃の方を直すのは躊躇われた。が、この先のことを考えて、思い切った。


この養生が取れたら、どんな感じになっているだろう。
会議室オープンの前に、竃に火を入れてみたい。




Posted by 大辻織絵 │コメント(0)
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