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国登録有形文化財 特別公開企画 文化財の音景vol.4「親子について」

2018年12月11日 01:06  

国登録有形文化財 特別公開企画 文化財の音景vol.4「親子について」

旧石原家住宅(通称 石原邸)特別公開企画「親子について」。
あれからあっという間に20日ほどが経ってしまっておりましたが、お陰さまで盛会にて無事終えることができました。
心よりありがとうございました。

今回ご一緒した花作家森直子さんとは、昨年の「巡りゆく生と死のなかで継がれていくこと」から連続で企画展をご一緒させていただいてます。親たちの老いの深まりを感じつつの昨年の企画。そして、二人ともが父親を送り出し、今年の企画に臨むことになりました。

今回はテーマを「親子について」としましたが、制作においてはそこにこだわりすぎず、軽やかに自己を発露させることができたように思います。「親子について」とは言っても、親という存在と自分とはDNAとしても記憶としてもバイブレーションとしても常に共有がなされている感があり、それはあの世とこの世に分かれることで失われたりするものではないということをひしと感じておりましたし、頭で「親子について」を意識している必要はなかったようでした。

前回は表現を丁寧に積み重ねた感覚、今年はガツンガツンと削ぎ落とさせられていた感覚がいたします。意図的にそうしようとした訳ではなく、存在として大きかったあの父親からの「継承」という取り組みにはかなりのボリューム感があり、開催前の週に何日も寝込んだということもありました。何日にこうして、何日までにはこうして‥などど考えていたことが丸ごと吹っ飛びました。夫もしばしばやりすぎはいかん、というようなアドバイスをしてきますし、自己管理能力がないということに留まらない、これは「流れ」であり、それに身を任せようと肚を据えました。

今回の空間展示は、日常感ある非日常とでも表現したらよいでしょうか。
お子さまからご年配の方まで、じっくりと観、じっくりと過ごしてくださる方が多かったことはたいへん嬉しいことでありました。

現場の雰囲気をぜひ多くの皆様に見ていただきたく、個人ウェブサイトの方に展示や作品の写真を一堂に集めたページを作りました。私の撮ったものと森直子さんの撮ったものを集めてありますが、随時他の方が撮ってくださったものも加えていくつもりでおります。

よろしければ、国登録有形文化財「旧石原家住宅」と「親子について」の世界をこちらのページにてお楽しみくださいませ。



国登録有形文化財 特別公開企画 文化財の音景vol.4「親子について」
父母との懐かしい写真と、作家二人の父母に対する想いを綴った言葉のスライドショーを組み合わせた。
終わってみれば、ありがたかったこと嬉しかったこと以上に、親との関係の中で感じたやるせなさ、怒り、悲しみ、痛みはまさに私達が家族であった証しだったのだと気付かされる。


国登録有形文化財 特別公開企画 文化財の音景vol.4「親子について」
父の気に入っていたと思しき壺に直子さんが石原邸の草地に咲いていた野菊などを生けられた。
この姿は、この草花が野にあった時の佇まいそのままだと感じる。
草花、場の雰囲気、道具、家・・そういう構成物の全てが強い意図なしにこうもしっくりするとは。

人間は作ろうとする。構築しようとする
それもまた善だが、作られてしまうもの、それはさらに善のような気がする。それは生まれたもの、と表現した方がふさわしいものなのだろう。




Posted by 大辻織絵 │コメント(0)
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